もはや代名詞!自動車メーカーを代表する超有名車種
どの車種も、自動車メーカーにとって大切な製品ではあると思いますが、その中には、特にそのブランドにとって、より重要な役割を果たしてくれる車があるはずです。まさにメーカーを象徴するような代表的な車は、そのブランドを定義するものです。そうした車は、次世代のモデルにも受け継がれる魅力的な機能であったり、他の車種の基準となるような哲学であったりを兼ね備えているのです。今回紹介するのは、自動車メーカーを代表し、現代のスタンダードを確立する上で重要な役割を果たしてきた、あるいは果たしている車種たちです。
ポルシェ「911」1964年
ポルシェの「911」ほど、オリジナルモデルの系譜を受け継ぐ車は他にないでしょう。1964年にデビューした「911」は、リアエンジン、フラット6のスポーツカーであり、球根状のフォルムが特徴的です。初代「911」は、エンジンが後ろにぶら下がり、ホイールベースが短いため、ドライバーが細心の注意を払わないと操縦できないという、扱いにくいスポーツカーでした。
一方、現在の「911」は、初代よりも大きく、よりシンプルに、そしてより高性能になりましたが、オリジナルのエンジニアリングの特性とデザインの特徴は大きく残されています。「911」は依然としてポルシェというブランドのフラッグシップであり、時流に左右されることのない数少ない名車のひとつです。「911」のないポルシェを想像することはできないでしょう。
ジープ「ラングラー ルビコン」2003年
ジープの「ラングラー」の歴史を深く掘り下げると、1940年代にウィリス・オーバーランド社が米軍との契約に、後にMBとなるSUVに入札した時代にさかのぼります。ウィリスの「MB」は誰もが知っている車ですが、2003年製の「ラングラー ルビコン」は、消費者のためにオフロードを優先する企業としてのジープを最もよく表している車だと個人的には思います。
ジープは、1997年にデビューしたTJ世代の一部として、2003年に「ラングラー」の最初バージョン「ルビコン」をリリースしました。ロック式前後ディファレンシャル、31インチの大型オールテレインタイヤ、4輪ディスクブレーキ、工場直送のリフトを備えていて、ジープ好きが購入しやすい最も高性能なモデルでした。また、カリフォルニア州にある有名なルビコン・トレイルにちなんで、「ルビコン」という名称を冠した最初の車種でもあります。
起亜「テルライド」2020年
起亜自動車は、単なる”安いブランド”以上の存在になるべく、大きな一歩を踏み出しました。というのも、なぜ起亜の車のほうを選ばれたかという理由を説明するとき、たいていの自動車メーカーは、購入者がより低い価格を好んだからと言及するのです。
素晴らしい車種「スティンガーGT」でさえ、他社の同位モデルに比べると、安いとみなされます。しかし、起亜自動車の製品ラインナップの中で絶対に欠かせない車が1台あり、それは「テルライド」です。
2020年モデルから一新したミッドサイズSUV「テルライド」は、起亜というブランドを新たな高みへと導いてくれました。たしかに、この車は今でもお手頃な価格となっていますが、堅牢でありながら高級感のあるビジュアル、おしゃれな内装、そして滑らかな乗り心地が優先されていて、カントリークラブでも街中でもぴったり合う、数少ないSUVのひとつです。さらに「テルライド」は、韓国自動車メーカーが実力だけで大手他社と競争できることを示した最初の車でもあり、また、起亜自動車の将来の方向性を示すものでもありました。